どんな物を買う場合にでも、同じ物なら安いほうがいいという人はいる。しかし、こういう姿勢を、家を買う場合にも貫くというのはいかがなものかと思う。一生住むかもしれない家を買うために支払う金は、一朝一夕につくれるものではない。それを、食料雑貨の安売りセールに飛びつくように、安売り住宅に飛びつけば、後悔するのは目に見えている。とつぼ昔から十坪住宅といって、五十坪の土地を見つけてきて五等分し、五軒の住宅を建てて売るやり方があった。こんな住宅は多くの場合、どこまでが私道でどこまでが庭なのかわからないものも多かった。ただ、住めればいいというのが、こういう住宅に住む人たちの気持ちだったと思うが、経済事情が悪かった昔ならともかく、現在でもこんな発想で家を求めるのは、あまりにも余裕がなさすぎるのではないだろうか。住宅ローンもままならなかった昔と違って、現在では普通の人もかなりの長期ローンが組めるのに、いまだに安物指向の人がいるのだから、理解できない。郊外に行くと、よくこんなところ見つけてくるなというような、ネコの額のような狭い土地に、何軒かの建て売り住宅が並んで建っているのを見ることがある。住環境がよければまだ救いもあるが、えてしてこういう住宅には、土地、建物のすべてに問題が多いものである。